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COLUMN

麦茶

誰も知らない麦茶の原料の「麦」

2022年06月22日

一言に麦と言っても、色々な種類があります。
コムギ・オオムギ・ライムギ・エンバクなどの外見が類似したイネ科穀物の総称をムギと言います。
この記事では、麦茶の材料である「麦」に注目しました。

朝食で食べる「あの食品」も、実は麦です。

麦の種類①コムギ

コムギは小麦粉としてよく利用されパンや麺などになっている馴染みの深い麦かと思います。
ライムギもライ麦パンとして馴染みのある麦かと思います。
同じパンに使用する材料でも種類が違うと何が違うのか?というと、ライ麦の方がコムギに比べて寒冷地や痩せた土地でも育ちやすいそうです。

そのため近代以前では、供給量の少ない小麦の方が価値は高く、当時は収穫量に優れたライ麦の方が価値は低かったようです。
しかし、18世紀以降にイギリスで始まった囲い込み農業や農業革命の影響により小麦の生産量が劇的に飛躍したためライ麦の需要が減少してしまいました。

現在では、小麦と比べてライ麦がそれほど生産されていないためライ麦の方が高級品になってしまったそうです。
昔の日本人が、庶民は玄米を食べて殿様が白米を食べていたのに、現在は基本的に白米を食べて、健康志向の高い方が玄米を食べているのに似ていますね(笑)。

麦の種類②エンバク

エンバクは、オートブランとして使用されています。
あまり馴染みのない麦のように感じましたが、調べてみるとコーンフレークの原料として使用されているようです。

1870年代にフェルディナンド・シューマッハという方がエンバクを工業的にフレークにする方法を開発し、エンバクの押し麦であるロールドオーツが発明されました。
その後19世紀に入りジョン・ハーヴェイ・ケロッグが、グラハム粉を使用していたグラニューラという商品をエンバクのフレークを使用するように改良し、グラノーラが誕生したそうです。

また、エンバクの最も主な使用目的は飼料用だそうです。
特に馬の飼料用としてよく用いられましたが、馬の需要の減少とともにエンバクの栽培も減少していったようです。

麦の種類③大麦

最後に大麦についてですが、大麦には何種類かの分類があります。その中で六条大麦と二条大麦について説明します。

六条大麦と二条大麦の差は、実る穂が何列あるかという違いであり、2列実るのが二条大麦で、6列実るのが六条大麦だそうです。
二条大麦はビール生産用に栽培されています。
二条種は種子の1粒1粒が大きく、大きさがそろっているため、醸造の管理が行い易いというメリットがあります。
基本的にヨーロッパで広く生産されている麦だそうです。

逆に六条大麦は、種子の粒の大きさはあまりそろってはいませんが、収穫量が多く大麦を穀物として食べる地域に広く生産されています。
麦茶の原料にもこの六条大麦が使用されています。

最後に豆知識

麦茶にも結構歴史があります。平安時代から室町時代までは貴族が飲用していたとされており、戦国武将なども好んで飲んでいたそうです。
江戸時代には、「夏の夕方より、町ごとに麦湯という行灯を出だし、往来へ腰懸の涼み台をならべ、茶店を出すあり。
これも近代の事にて、昔はなかりし也」という記述が「寛天見聞記」にあり、麦湯売りという商売が成り立っていたようです。

昔は貴族の飲み物だったらしい麦茶を現代では、気軽に、しかも冷やして飲むことが出来るようになったということは素晴らしい進歩だと思います。

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